LTVが重視される理由と計算方法。向上させる5つの方法も紹介

デジマケの教科書編集部

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LTVが重視される理由と活用するメリットを紹介
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ビジネスにおいて、単なる単発の取引ではなく、長期的な顧客との関係を築くことが重要です。そのために注目されるのが「LTV(顧客生涯価値)」という概念です。

LTVとは、顧客が会社との関係を持つ間にもたらす総収益を指す指標であり、ビジネスの成長や収益性を評価する上で重要な要素となります。

本記事では、なぜLTVが重視されるのか?計算方法や向上させるための5つの方法と合わせて解説します。

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LTVとは何か?

LTVとは「Life Time Value(ライフタイムバリュー)」の略称です。1人の顧客に対して取引を開始してから終了するまでの間に、その顧客がどれだけの利益をもたらしたのかを表しています。

企業が自社の顧客となる新規顧客を獲得するためには、多くの費用や人的リソースをかけます。やっとの思いで獲得できた顧客との取引を一度だけ終了させてしまうと利益を伸ばすことが難しくなることも多くあります。それは、新規顧客の獲得にかけるコストよりも利益が下回ってしまうことも多いからです。

お金や人的リソースをかけて獲得した顧客との取引は長く続けたいですよね。そのためには、顧客に自社の商品やサービスを利用する価値を認識してもらい、アップセルやクロスセルに繋げてLTVを向上させる必要があります。

自社の商品やサービスを利用した顧客が、何度もリピートしてくれるような仕組みを作ることもLTVの向上には効果的です。

LTVの算出方法

LTVの数値がどのように算出されているかはご存知でしょうか。

LTVは「購買単価×購買頻度×契約期間」という式で算出されます。

式を見て分かるように、LTVを向上させるには購買単価・購買頻度・契約期間のどれかを改善するか、全てを改善するのが効果的です。

詳しいLTVを向上させる方法は、この記事の「LTVを向上させる方法」で紹介しています。

なぜLTVが重視されるのか

なぜLTVが重視されるのか

最近ではLTVを重視したマーケティング戦略を取る企業も増えてきました。それがなぜなのか理解できているでしょうか。

LTVが重視される理由は、主に2つあります。以下では、LTVが重視される2つの理由を紹介していきます。

新規顧客の獲得が難しくなっている

一昔前の日本は、戦後のベビーブームの影響で人口が増加していました。そのため、商品やサービスを提供する供給量よりも、その商品やサービスを求める需要量の方が多かったのです。そうすると、新規顧客の獲得を目指すマーケティング戦略で収益を拡大することができ、その手法が主流になっていました。

しかし、現在の日本は少子高齢化社会とも言われるように、人口が減少しつつあります。そうすると、新規顧客の獲得が難しくなります。そのため、企業が収益を拡大するには新規顧客の獲得だけではなく、獲得した顧客にリピートしてもらう施策も重要になってきました。

新規顧客を獲得するにはコストと時間がかかります。そして、人口が減少傾向にある日本で新規顧客を獲得し続けようとしても、いつかは失速してしまいます。そうなると、新規顧客を獲得するコストよりも収益が下回ってしまい、赤字になってしまう事態も予想できますよね。

反対に、既存顧客によるリピートや新たな顧客の紹介に繋がるような施策を展開できれば、新規顧客の獲得にコストをかけずに収益を拡大していけます。

また、アメリカのコンサルティング会社Bain & Company社のフレデリック・ライクヘルド氏は「1:5の法則」と呼ばれる考え方を提唱しています。

1:5の法則とは、新規顧客の獲得コストや販売コストは既存顧客への販売コストあるいは顧客維持コストの5倍かかるというもの。

「1:5の法則とは意味/解説」シマウマ用語集

この考えは、新規顧客を獲得するためにかかるコストよりも既存顧客を維持することでかかるコストは25%程度で足りるという考え方です。この考え方からも新規顧客の獲得にコストをかけるよりも既存顧客の維持にコストをかけた方がコストパフォーマンスが良いと言えます。

そして、この既存顧客による利益を可視化できるようにしたLTVが重視されるようになりました。

顧客属性を考えたマーケティングが重要になっている

インターネットやスマホの普及で、顧客属性を考えたマーケティングが重要になってきました。

以前までは不特定多数の人に向けたマーケティング戦略を取る企業も多かったです。しかし、インターネットやスマホの普及で、顧客は自身の趣味趣向に基づいた購買行動を取ることが増えました。

そのため、自社のターゲットとする顧客属性にあわせたマーケティングが重要になり、その層に購買してもらうには自社の商品やサービスを利用する価値を感じてもらう必要があります。

そして、自社の商品やサービスを利用する価値を感じた顧客、つまり既存顧客がどれだけ自社に利益をもたらしたかを示したLTVが自然と重視されるようになりました。

また、以前よりも詳細に顧客のデータを収集できるようになり、分析できるようになったことでLTVを算出するのが容易になったこともLTVを活用する企業が増えた理由の1つでしょう。

LTVを向上させる方法

ここまでの内容でLTVが重要になる理由は理解できたでしょう。しかし、マーケティング戦略を考える際には、LTVを向上させる方法も理解しておく必要があります。

そのため、以下ではLTVを向上させる方法を紹介していきます。

購買単価を引き上げる

「LTVの算出方法」で説明したように、LTVを向上させるには購買単価を引き上げることが効果的だと言えます。以下では、購買単価を引き上げる2つの方法を解説していきます。

商品やサービスの単価を上げる

購買単価を引き上げるためには、商品やサービスの単価を上げることがシンプルかつ分かりやすい方法でしょう。

しかし、単価を上げただけで商品やサービスの価値が変わらなければ、顧客は離れていってしまいます。そのため、単価を上げるだけではなく、顧客に満足される商品やサービスに改善していく必要があります。

アップセルとクロスセルを活用する

購買単価を引き上げるには、アップセルとクロスセルを活用するのも効果的です。

アップセルとは、既存顧客が購入したものや購入しようとしているものよりも、さらに上位の商品やサービスを提案して購入してもらうことです。

アップセルを成功させるには、「検討しているものよりも上位のものを選んだ方が、結果的にお得なのではないか」「予算を上げれば、より満足できるのではないか」と顧客に感じてもらう必要があります。

もう1つの手法であるクロスセルは、既存顧客が購入しようとしている商品に関連する別の商品を提案して、一緒に購入してもらうことです。

ECサイトでも多く活用されており、商品ページや決済するページに「この商品を購入したユーザーは、こちらの商品も購入しています」と表示したりしています。

顧客の関連するニーズに応えるように、元の商品と相性の良い商品を紹介するのがおすすめです。

購買頻度を高める

LTVを向上させるには、購買頻度を高めることも効果的です。

購買頻度を高めるには、既存顧客に向けたコンテンツを配信したり、メルマガで新しい商品やサービスに関する情報を提供するのも有効です。

商品の買い替え時期などに、自社商品の強みなどを分かるようにメールを一斉送信するのも良いでしょう。既存顧客の選択肢に入れてもらえるように工夫することが重要です。

契約期間を延ばす

契約期間を延ばすこともLTVの向上に効果的です。

契約期間を延ばすには、顧客が契約している自社のサービスの価値が高いと認識させて、満足してもらうことが必要になります。

具体的には、以下のような施策を取ることが多いです。

  • 顧客に有益な情報をメルマガで定期的に配信する
  • 契約直後に、商品やサービスの価値を実感させることを目的とした施策を取る
  • 解約しそうな顧客に対して、コミュニケーションを図る

特に、サブスクリプション型のサービスを提供している場合には、顧客の解約率を下げることが重要です。そして、解約率を下げるための施策は、個人の考えや主観的な考えに基づいて実行すべきではありません。

獲得してきたデータを分析して、なぜ解約してしまうのかを客観的に分析して、改善していきましょう。

顧客獲得コストを下げる

顧客獲得にかかるコストを下げることでもLTVを向上させられます。それは、利益獲得にかかるコストや時間をできるだけ抑えることで、得られる利益幅を大きくできるからです。

顧客獲得コストを下げるには、いくつもの要素を考える必要があります。代表的なものは業務を効率化してコストを下げることが挙げられます。

自社の商品やサービスを売りやすくするようなツールを導入して、効率的に商品やサービスを販売していくことで、顧客獲得にかかるコストや時間を削減できます。

顧客をファンにするのが重要

LTVを向上させるためにも、新たな顧客を既存顧客に紹介してもらうためにも、顧客をファンにするのは重要になります。

顧客をファンにするには、商品やサービスの価値を高めたり、付加価値を付けたり、ブランド力を持たせることが必要になります。

日頃、我々が消費者として利用している企業の商品やサービスは、上記のどれかを満たすような施策を展開していませんか?また、全てを満たすように施策を展開している企業も多いでしょう。

LTVを活用することのメリット

LTVという指標を活用することで、新規顧客獲得コストや既存顧客維持コストよりもLTVを低くするような戦略を取れるようになります。

そうすると、1つの商品やサービスを販売するのにかかるコストが低くなります。結果的に、損益がマイナスになる可能性が減少する効果があります。

インターネットやスマホが普及して、消費者がさまざまな購買行動を取る現代では、LTVを活用して上手く収益を拡大していく必要があるでしょう。

LTVに関するよくある質問

Q
LTVとは?

LTV(Life Time Value)とは、1人の顧客に対して取引開始から終了までの間にどれだけの利益をもたらしたのかを示す指標のことです。顧客生涯価値とも呼ばれています。

Q
LTVはなぜ重要視されていますか?

LTVが重要視される理由は大きく2つあります。

  • 新規顧客の獲得が難しくなっている
  • 顧客属性を考えたマーケティングが重要になっている

インターネットやスマホの普及によって、LTVを重視したマーケティング戦略を取る企業が増えています。

Q
LTVの計算方法は?

LTVは「購買単価×購買頻度×契約期間」という式で算出できます。LTVを向上させるには、購買単価・購買頻度・契約期間のいずれかを改善するか、全てを改善するのが効果的です。

まとめ

LTVの活用方法や向上させる方法は、この記事で理解できたでしょう。

しかし、LTVという指標だけが重要な訳ではありません。人口が減少しつつある日本で企業が勝ち残っていくためには、さまざまな施策を展開する必要があります。

LTVを重視しながら、既存顧客に対する価値を高めたり、新規顧客獲得にかかるコストを下げたりなどの施策を展開しましょう。

そこで、理解しておいて欲しいのが「試行錯誤を繰り返す」ことです。LTVに限らず、マーケティング戦略というのは1発目で正解を引き当てることは難しいです。そのため、施策を実行する度にデータを集めてデータに基づいた施策を実行していく必要があります。

試行錯誤を繰り返し、精度を高めていくことがマーケティング戦略には求められます。

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