マーケティングで使えるフレームワーク12選!各分析手法について解説!

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マーケティングで使えるフレームワーク12選!

マーケティングを行ううえで「やり方が分からない」「現状の把握ができてない」「戦略立案ができない」「営業がうまくいかない」など様々な課題に直面することがあります。

そのような時に役立つのがマーケティングのフレームワークです。マーケティングのフレームワークを活用することで、現状の課題を浮き彫りにしたり、マーケティング効果を最大限に引き出すことが期待できます。

マーケティングにおいて課題や悩みを抱えている方は、ぜひ本記事を読んでフレームワークを活用していきましょう。

マーケティングにおけるフレームワークの重要性とは?

まず初めにマーケティングに置けるフレームワークの重要性を解説していきます。

マーケティングのフレームワークは誰でも利用でき、かつ目標までの戦略を共通認識できる点で重要です。

そもそもフレームワークとは何でしょうか?フレームワークとは土台や枠組みのことを指します。

そしてマーケティングのフレームワークは、マーケティング成功のための枠組みや土台、つまり「成功に導くための公式」と捉えることができます。

マーケティングのフレームワーク活用には、以下のようなメリットがあります。

  • 分析方法が統一されているので人によるブレが少ない
  • 戦略立てから実行・修正までを共通認識&可視化できる

フレームワークは「枠組み」であることから、誰が活用しても結果にブレが少なく、またフレームワークによって今後の展望を共通認識&可視化できるのがメリットです。

そのためビジネスで成功するためにマーケティングフレームワークは重要と言えるでしょう。

マーケティングのフレームワークと言っても様々な種類がありますが、本記事では「思考のフレームワーク」→「自社理解・戦略立案のフレームワーク」→「目標・改善のフレームワーク」の順番で紹介していきます。

上から順番にこなしていくことで、現在抱えている課題はクリアになっていきますので、順番に進めていきましょう。

思考のフレームワーク

まずは思考のフレームワークからです。

MECE手法

まずはMECE(ミーシー)手法です。

MECEは「Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive」の略語でして、意味は

Mutually Exclusive:互いに相いれない
Collectively Exhaustive:完全に網羅する

合わせて日本語では「モレなく、ダブりなく」と訳されます。

論理的思考の基本ともいえる概念であり、あらゆるモノ・コトを考える際に、モレなくダブりなく整理して考えることが重要と説く概念です。

MECEの具体例
例)化粧品のケース
・男性用化粧品と女性用化粧品に分ける:MECE(モレ・ダブりなし)
・10代・20代向け化粧品に分ける:MECEではない(モレあり・ダブりなし)
・化粧水と保湿化粧水に分ける:MECEではない(モレあり・ダブりあり)

このように自社製品や顧客ターゲットをセグメントした際に、「モレてるターゲット層はないか」「ダブっている市場はないか」と見直すことができます。

ロジックツリー手法

続いてはロジックツリー手法です。

ロジックツリー手法は問題の要因をMECEに要素分解していくための手法です。1つの課題に対しての要因を考えて、そうなった要因、さらにその要因…といった具合で5段階層以上作っていくのが良いとされています。

ロジックツリーの具体例
例)元気が出ない

【1階層目】
1.ご飯を食べてないから
2.寝るのが遅いから

【2階層目】
1-1食べる時間がないから
1-2食欲がわかないから
2-1帰りが遅いから
2-2眠くならないから

【3階層目】
1-1-1仕事が忙しいから
1-1-2 …etc

このように掘り下げていくことで、問題の根本部分を発見することができます。

上記は「Whyツリー」と呼ばれており、同様のやり方で「Whatツリー」「Howツリー」なども作成することができます。

Whatツリー:「副業をやりたい」→「せどり」「アフィリエイト」→…etc
Howツリー:「営業力をつけるには?」→「経験を増やす」「知識を付ける」→…etc

あらゆる場面で活用できるので、要素分解の手法として覚えておきましょう。

自社理解・戦略立案のフレームワーク

自社理解・戦略立案のフレームワーク

続いて自社理解・戦略立案のフレームワークを見ていきます。

PEST分析

まずはPEST分析です。

PEST分析はPolitics(政治)、Economy(経済)、Society(社会)、Technology(技術)の4つの頭文字を合わせてPESTとなっており、4つの視点から分析を行っていく手法です。

自社はもちろん、ビジネス全体や世の中の経済状況を踏まえたうえで自社が与える影響や立ち位置を分析していくマクロ的分析となります。

各項目の考え方は以下のような視点で見ていくと良いでしょう。

Politics(政治):社会政策や企業活動に関する法律が自社や製品にもたらす影響
Economy(経済):人々の消費行動や購買力、市場規模と流通量に対する自社への影響
Society(社会):社会的な風潮やターゲット層の人口動向がもたらす影響
Technology(技術):技術進化による業界発展が自社や製品にもたらす影響

これらを踏まえて具体的に考えてみると

PEST分析の具体例
例)携帯電話の格安プランに関するPEST分析
・Politics(政治):政府の携帯料金値下げ施策によって競合も含めて値下げ対策が求められることとなった。半面MVNOなど格安業者と戦いやすくなった。
・Economy(経済):若年世代を中心に格安携帯を利用する人が増えていたため、ターゲット層の幅が広がったと言える。
・Society(社会):若年層を引き込めると同時に、サポートが必要なことが多い高齢世代への対応がしずらくなるのが課題
・Technology(技術):サポートが難しい分、簡潔にわかりやすく課題解決ができるAIボットをWEBサイトに搭載。これによって高齢世代へのサポート力を補う

結論:格安プラン導入はターゲット層を広げるメリットがあるが、高齢世代への対応力が不足するデメリットが考えられる。しかしAIボットなどの自動サポートを導入することで、この課題はある程度クリアできる。

以上のようにPEST分析では、マクロ的視点から分析を行うことができます。

3C分析

続いては3C分析です。

3C分析はCustomer(市場・顧客)、Company(自社)、Competitor(競合他社)の頭文字から取られており、市場や自社と他社製品の違いや強みを分析する際に用いられる手法となります。

3C分析の具体例
例)HISの3C分析
・Customer(市場・顧客):ステイホーム疲れで、海外や国内旅行や近場でも温泉などを楽しみたいと思っている全世代の男女
・Company(自社):豊富なツアー取り扱い数に加えて、旅行費用を安く抑えられるのが強み。最近ではオンラインツアーも拡充している。
・Competitor(競合他社):JTBやKNT、日本旅行などが競合し、中でもJTBは最大の競合。昨今のパンデミックでオンライン需要が増加したので、オンラインツアープランを拡充。オンラインツアー取扱数はJTBに大きく差をつけている。

このように3C分析を行うことで自社の強みや市場全体から見た自社のポジションや他社との違いを客観視することができます。

さらに詳しい分析のやり方とスターバックスの事例は以下をご覧ください。

5Forces分析

続いては5Forces分析です。

5Forces分析は業界内の競争状態を知るうえで役立つ手法で、競争要因となる以下5つを5Forcesと呼びます。

「競合他社」「売り手の交渉力」「買い手の交渉力」「新規参入の脅威」「代替品」

5Forces分析を行う理由は、業界内での競争要因を明確にすることにより自社を守り、さらに自社優位の体勢を取れるポジションを見つけることが目的となります。

5Forces分析の具体例
例)ユニクロ
・競合他社:ファストファッションが競合と考えられる。しまむらやZARA、GAPなどでしょう。
・売り手の交渉力:ユニクロは世界の素材メーカー(売り手)と直接交渉をしていますが、大量仕入れを行うユニクロは大口の顧客と想定することができるので、売り手の交渉力は低いと想定できる。
・買い手の交渉力:買い手は一般消費者ですが、Amazonなどでも安く良い商品を買うことができるので、買い手の交渉力は高いと言える。
・新規参入の脅威:ユニクロは企画から販売までのプロセスを自社で一貫して行っているので、同じビジネスモデルで参入するには大きなコストがかかる。そのため簡単には新規参入できないと考えられる。
・代替品:格安同業のしまむらや服のシェアリングサービスなどが代替品になりますが、ユニクロのブランド力、商品の質、豊富な店舗数を考えると、ユニクロが優位に立っていると考えられる。

結論:ネックになる部分は買い手の交渉力です。今後はAmazonなど豊富な種類をオンラインで購入できるサイトに対してどのように対応していくのかが課題と言えそうです。

以上のようにして5Forces分析で自社の優位性や課題を明確にしていくことができます。

STP分析

続いてはSTP分析です。

STP分析はSegmentation(市場の細分化)、Targeting(ターゲット市場の決定)、Positioning(自社の立ち位置)の3つの頭文字を取った手法になります。

業界への新規参入時や新商品の投入時はもちろん、その他あらゆる場面で活用できるため、今後の展望に関して戦略立てを行う際には必須の手法と言えます。

STP分析の具体例
例)部屋まる(東京6万円以下の賃貸専門の不動産)
・Segmentation(市場の細分化):東京の賃貸物件は家賃数万∼数百万円まである中で、格安の部類と言える家賃6万円以下にセグメントして特化。
・Targeting(ターゲット市場の決定):学生層やセカンドハウスとしての利用希望者、夢を追うため家賃を安く抑えたい方々などをターゲットにしている。
・Positioning(自社の立ち位置):6万円以下を専門にすることで、格安物件の取り扱い数や知見で競合他社と差別化。格安物件の専門家としてのポジションを確立している。

このようにして自社や商品の立ち位置や強みが明確になるので、今後どのように伸ばしていくかなどの展望が立てやすくなります。

STP分析は3C分析や5Forces分析とセットで行うとやりやすいです。

SWOT分析

続いてはSWOT分析です。

SWOT分析はStrength(強み)、Weakness(弱み)、Opportunity(機会)、Threat(脅威)の4つから成り立つ分析手法で、上記4項目を軸に自社を取り巻く環境の確認や戦略策定のために行います。

SWOT分析の具体例
例)テスラ自動車
・Strength(強み):電気自動車市場においてブランドを確立。また世界シェアでも断トツでトップ。
・Weakness(弱み):消費者ニーズに応えきることができていない。具体的には車体生産数や充電ステーション不足が挙げられる。
・Opportunity(機会):日本においては政府が2021年に「2035年までに新車販売で電動車100%を実現する」と宣言しているため、販売機会や顧客増加が期待できる。
・Threat(脅威):大手自動車会社の本格参入は脅威となりえる。資本力がある大手の場合、テスラ社以上に生産コストを縮小できる可能性があるので、今後大きな課題になると考えられる。

以上のようにして、分析を行っていきます。

さらに詳しいやり方や、より細かく分析が可能なクロスSWOT分析については以下で紹介していますので、ご参照ください。

バリューチェーンモデル

続いてはバリューチェーンモデルです。

バリューチェーンは日本語で「価値連鎖」と呼ばれ、商品やサービスが顧客に届くまでの一連の流れや活動を価値の連鎖と捉えたものです。

商品の製造から顧客が利用するまでの一連の過程を細分化し、どこにコストや負荷があり、どこで価値や利益を最大化できるかを見つけ出すための手法となります。

バリューチェーンモデルの具体例(サービス業のケース)

バリューチェーンモデル
  1. 企画立案:自社ではどのように企画を立てて、他社ではどのような企画の立て方をしているのか。企業価値を落とし込めているのかなどを考える
  2. 営業活動:営業手法や他社との違い、営業コストを削減or価値を付加できるのかなどを考える。
  3. サービス提供:提供サービスの強みはどこにあるのか、提供方法に問題はないかなどを考える。
  4. 料金支払い:料金は適正か、支払方法は問題ないかなどを考える。
  5. アフターサポート:継続利用してもらうためにはどうすれば良いか、顧客満足度はどうかなどを考える。

各過程ごとに分断して考えることで、これまで「強み」や「弱み」としていた部分も具体的な箇所で捉えることができます。

4C分析

続いては4C分析です。

4C分析はCustomer Value(顧客価値)、Customer Cost(顧客のコスト)、Convenience(利便性)、Communication(コミュニケーション)の頭文字を取った分析手法です。

3C分析から一つ発展した形であり、より「顧客」の視点に特化させたのが4C分析です。顧客ニーズを細かく分析していく手法になります。

4C分析の具体例
例) Netflix
・Customer Value(顧客価値):様々な作品を定額で安く見られる。また家でも外でも好きな場所で動画を見ることができる。
・Customer Cost(顧客のコスト):ビデオレンタル料金に比べると破格の安さ、定額で好きなだけ作品が見れるので、1本あたりの視聴単価はレンタルビデオと比較にならない。
・Convenience(利便性):ビデオを借りる・返却の手間がない。また貸し出し中の心配もなく24時間好きなタイミングで好きな作品を視聴できる。
・Communication(コミュニケーション):オリジナルコンテンツの充実など、ユーザーに満足されるサービス体験にこだわり。結果的に動画配信サービスランキングにおいて顧客満足度上位を獲得。

以上のようにして「顧客にどの部分で価値を提供できるか」や「顧客にとってのメリットは何なのか」といった顧客視点での強みを分析できます。

BtoCはもちろんですが、BtoBでも活用することができます。

4P分析

続いては4P分析です。

4P分析はProduct(商品)​、Price(価格)、Place(販売場所)、Promotion(販売促進)の4つの頭文字を取った分析手法です。

顧客視点で分析する4C分析とは対照的に、商品視点で戦略立てを行うのがこの4P分析です。商品に関する戦略立てには必須であり、4C分析と併せて行うと良いでしょう。

4P分析の具体例
例) Netflix
・Product(商品)​:動画配信サービスとして、あらゆる場所で様々なジャンルのコンテンツが楽しめるよう設計されている。
・Price(価格):用途に合わせて3種類の料金プランを用意。料金は同業他社と比べても高すぎることはなく、標準的。
・Place(販売場所):ネットで気軽に申し込み可能。端末(スマホやPCなど)があれば誰でも利用可能。
・Promotion(販売促進):ネットメディアをメインに自社独自でプロモーションを展開。

以上のように商品の強みや特徴を振り返りながら、商品視点での戦略立案をしていくことができます。

さらに詳しく分析方法を理解するには以下記事をご覧ください。別の分析事例についても詳細にまとめています。

目標設定・改善のフレームワーク

最後に目標設定・改善のフレームワークを見ていきます。

SMART

まずはSMARTです。

SMARTとはSpecific(具体的か)、Measurable(測定可能か)、Achievable(達成可能か)、Related(関連性があるか)、Time-bound(期限があるか)の5つの頭文字をまとめてSMARTとなります。

あらゆる物事の目標設定をする際に役立つ手法であり、詳細に設定することでゴールまでの道のりをより具体的に描くことができるようになります。

各項目の設定におけるポイントおよび具体例は以下の通りです。

・Specific(具体的か):より明確に具体的になるように設定する
 例)1か月以内に毎日のジョギングと雑穀米の食事で体重を3kg減らす。
・Measurable(測定可能か):目標への方法や進捗を確認する術を用意する
 例)10日で1kg減らせるように、1日〇kmのジョギングと〇kcalの摂取。
・Achievable(達成可能か):現実的に達成可能な目標設定にする
 例)〇:1か月以内に3kg減らす。×:1か月以内に20kg減らす。
・Related(関連性があるか):その目標が最終的な目的に沿った内容となるように設定する
 例)モデルになりたいから、まずは体重を減らす目標を立てる。
・Time-bound(期限があるか):期限はモチベーションにつながるので、期限を設ける
 例)1か月以内に3kg減らす。

このようにSMARTに沿って目標設定をすることで、より明確に目標までの道のりをイメージすることができるようになります。どれほど小さな目標でもSMARTで設定していくのが良いでしょう。

PDCA

最後はPDCAです。

PDCAはPlan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)の頭文字をまとめてPDCAと呼びます。

多くの企業で一般的に行われているマネジメントサイクルであり、上の順番で繰り返し実行していくことで、円滑な企業成長を目指していくものになります。

PDCAの具体例
目標:1か月で新規契約を10件取りたい
・Plan(計画):5W2Hをベースに具体的に計画を立てる
 例)営業電話を週に500件、飛び込み営業〇地区、インバウンド営業用のメディア記事更新を週に1件、各々からの受注目標〇件…など
・Do(実行):計画に必要なコトを洗い出して実行する
 例)午前中に架電、午後∼夕方で飛び込み営業、訪問、帰社後にメディア記事作成…など
・Check(評価):計画通りに進んだかの評価や達成率を確認する。良い点悪い点もまとめると良い
 例)新規契約は7件で終わってしまった。営業電話の達成率:〇%、飛び込み営業の訪問率〇%… 良い点はメディア記事からの受注件数が目標以上だった点。悪い点は架電の目標数が足りず、想定訪問数も〇件足りず、結果受注件数が…など
・Action(改善):評価に関する要因を踏まえて、次のアクションのための改善策を出す
 例)目標件数ほどの架電時間の確保が難しいと分かったので、次回は架電目標を減らし、代わりに受注確度の高いメディア更新に〇割の時間を割く。受注率的に〇件メディア更新を増やせば、10件の新規契約目標が達成できる見込み。

以上のようにPDCAを作成して繰り返し実行することで、確実な企業成長につながります。SMART同様にどのような目標に対しても活用できるので、常にPDCAを意識すると良いでしょう。

まとめ

以上がマーケティングに役立つフレームワークのまとめになります。

フレームワークはたくさん種類があるため、全部やるのは大変…と感じるかもしれませんが、慣れてしまえばスムーズにできるようになるので、早めにフレームワークに慣れていきましょう。

個人はもちろん、組織の成長にも欠かせないものなので、さっそく今から活用してみるのがおすすめです。

ゆり

ゆり

社会人3年目のマーケッター。
SEOやSNSマーケティングを中心に勉強中。

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